「いずしば」では、「運動スペース分離型飼育」(いわゆるケージ飼育)は一切行っておりません。

動物愛護法では、犬をケージで飼育する場合、以下のような基準が定められています。

  • ケージの大きさは「縦=体長の2倍以上」「横=体長の1.5倍以上」「高さ=体高の2倍以上」。
  • 運動スペースは、そのケージの床面積の6倍以上、かつ高さが体高の2倍以上。
  • さらに、その運動スペースに1日3時間以上出すこと。

当犬舎の豆柴の場合、環境省の資料にある体長30cmを基準とすると、
寝床となるケージは「縦60cm × 横45cm」、
運動スペースは「約1.62㎡(約1畳)」が必要となります。

つまり、1日3時間ほど約1畳のスペースに出しておけば、残りの21時間狭いケージに閉じ込めても法的には問題ない、というのが現行の基準です。
しかし、私たちはこれを「動物に優しい飼育」とは考えておりません。

飼い主の都合で留守中に一時的にケージに入れることはあっても、21時間の拘束は長すぎると判断しています。
そこで「いずしば」では、飼育できる頭数はケージ飼育に比べて大幅に少なくなりますが、あえて運動スペース一体型の平飼いを採用します。

この方法では、犬が常に自由に動ける環境が確保されており、法律上の「運動スペースに出す義務」も不要となります。
あえて運動スペースの基準を満たそうとせず、天候に左右されながらも、晴れの日は太陽の光を浴びながら広大な芝生の広場でのびのびと過ごせる環境こそが、動物福祉の観点から最も望ましい飼育形態だと考えています。

また、全体の頭数も30頭以上の多頭飼育は致しません。群れを1つにするためには30頭くらいが限界です。
ケージを何段にも重ねて積み上げていた500頭超多頭飼育ブリーダーに長年勤務していた苦い経験から生まれた結論です。

環境省 動物取扱業における犬猫の適正な飼養管理に係る基準省令の概要 資料1-2より転載